卒寿を超えてもなお、その芸を追求する人間国宝・野村万作、狂言にとどまらず多彩な才能を発揮する野村萬斎、次世代を担う若手の一人、野村祐基、親子三代が揃い、万作の会の狂言師たちが、狂言の魅力をあますところなくお届けします。
12回目となる今回は、演者の駆け引きと対峙が見ものの『磁石』、和泉流だけで上演される演目で、大勢の立衆で賑やかな『弓矢太郎』の2曲です。
上演前には、野村萬斎による「解説」がございます。初めてのご観劇の方には、狂言の世界に親しみやすく、お馴染みの方にはより深くお楽しみいただけるよう、狂言の魅力や演目について丁寧にお話します。
啓蟄が近づく日に、和やかな笑いをもたらす洗練された至芸を心ゆくまでご堪能ください。
 
<番組>
■解説 野村 萬斎
■磁石(じしゃく)
すっぱ 野村 万作
田舎者 野村 裕基
宿屋 石田 幸雄
後見 石田 淡朗
■弓矢太郎(ゆみやたろう)
太郎 野村 萬斎
当屋 深田 博治
太郎冠者 月崎 晴夫
立衆 高野 和憲
立衆 内藤 連
立衆 中村 修一
立衆 飯田 豪
後見 岡 聡史
後見 石田 淡朗
<あらすじ>
■磁石(じしゃく)
遠江(とおとうみ)の国の田舎者が上京する途中、近江の国の大津松本の市を見物していると、すっぱ(いたずら者)が言葉巧みに近づいてきて、田舎者を定宿に連れ込む。実はこの宿の主人は人買いで、すっぱから田舎者を買う約束をする。この話を盗み聞きした田舎者は、先回りして金を受け取り逃げ去る。あわてて追いかけたすっぱが太刀を抜いて振り上げると、田舎者は機転を利かせて、自分は磁石の精だと名乗り、大口を開けて太刀を飲み込もうとする。驚いたすっぱは…。
中世の時代のバイタリティを感じさせる、いかにも狂言らしい荒唐無稽なお話です。
■弓矢太郎(ゆみやたろう)
天神講の集まりで、太郎は臆病だがいつも弓矢を携えて強がっているので、仲間たちは恐い話をして太郎を脅かすことにする。そうとは知らず、いつものように勇ましい姿で現れた太郎は、狐の執心の話や天神の森に出た鬼の話を聞かされ目を回してしまう。息を吹き返すとなおも強がりをいう太郎に、仲間はある賭けを持ちかけるのだが…。
夜でも煌々と明るい現代とは違い、真っ暗闇に薄明るい松明が灯るだけの時代。そんな状況を思い浮かべると、登場人物の繰り広げる世界観が、一層お楽しみ頂けるような演目です。
 
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