10回目を数える万作の会狂言公演。人間国宝・野村万作、狂言にとどまらず多彩な才能を発揮する野村萬斎、次世代を担う若手の一人、野村裕基、親子三代が揃い、万作の会の狂言師たちが、狂言の魅力をあますところなくお届けします。
春のはじまりにお贈りする今回は、演者の当意即妙のやり取りが観客を引きこむ『蝸牛』と、満開の桜と立衆たちも賑やかな『花折』の2曲を華やかにお贈りします。
上演前には、野村萬斎による「解説」がございます。初めてのご観劇の方には、狂言の世界に親しみやすく、お馴染みの方にはより深くお楽しみいただけるよう、狂言の魅力や演目について丁寧にお話します。
和やかな笑いをもたらす洗練された至芸をたっぷりとご堪能ください。
<番組>
解説 野村萬斎
蝸牛(かぎゅう)
太郎冠者 野村 万作
主 高野 和憲
山伏 野村 裕基
後見 深田 博治
花折(はなおり)
新発意 野村 萬斎
住持 石田 幸雄
立衆 野村太一郎
立衆 内藤 連
立衆 石田 淡朗
立衆 中村 修一
立衆 飯田 豪
後見 岡 聡史
<あらすじ>
蝸牛(かぎゅう)
修行を終えて帰る途中の山伏が竹やぶで休んでいると、主人の命で、長寿の薬になるという蝸牛(かたつむり)を捕りに太郎冠者がやってくる。太郎冠者が山伏を蝸牛だと思い込み声をかけると、山伏は蝸牛になりすまして太郎冠者をからかう。さらに山伏は、囃子言葉に浮かれてなら同行しようと、太郎冠者にかたつむりの囃子言葉を教え…。
観ていると心も体もうきうきとしてくる楽しい作品です。「でんでんむしむし」という囃子言葉が何回も出てきますので、登場人物と一緒に浮かれてみてはいかがでしょうか。
花折(はなおり)
新発意(仏門に入って間もない者)が、住持から留守番と庭の満開の桜の番を言いつけられる。早速花見の客がやってくるが、新発意が中に入れないので仕方なく垣根の外で酒宴を始める。酒が気になる新発意が一人を庭に入れると、皆ついて入ってきてしまい、結局新発意も加わっての花見となる。次々と謡い舞ううち、すっかり気分の良くなった新発意は・・・。
新発意と大勢の花見客とが謡い舞う姿は賑々しく、桜の作り物も華やかな演目です。ともに酒宴を楽しむような気分でお楽しみください。
 
お問合せ富士見市民文化会館キラリふじみ 049-268-7788
主催公益財団法人キラリ財団
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