チェロ界の巨匠、降臨。
ウィスペルウェイ、日本の俊英を鼓舞。
一期一会の共演が実現。
毎年、アーティストが腕を競い合う独自の魅力を放ってきたキラリふじみのニュウーイヤーコンサートに、今回は世界のチェロ界を索引するトップランナー、ピーター・ウィスペルウェイが出演。日本の若手、精鋭たちとがっぷり四つに組んだプログラムを用意することができた。
コンサートは進境著しいピアノの津田裕也が、ベートーヴェン後期のチェロ・ソナタでウィスペルウェイと共演する《第5番 ニ短調》で幕を開ける。日本人らしい奥ゆかしさを現在に伝える貴重なピアニストでもある津田が、ベートーヴェンとウィスペルウェイという聳えたつ巨大な岩山とどう対峙し、自己の世界を表現するか、ウィスペルウェイとの深い対話に注目だ。
続いては、キラリふじみではすでにお馴染み、ヴァイオリンの山根一仁が登場。コダーイの「デュオ」に初挑戦する。山根とウィスペルウェイのコダーイは、日本ではなかなか聴けないスリリングな熱い火花が舞台上で飛び交うに違いない。若き山根がクールに仕掛け、大人ウィスペルウェイがパッションを漲らせ熱く応えるという通常とは逆の展開も期待できそうだ。巨匠ぶらない巨匠の面目躍如たる姿と、ミュンヘンでさらに磨きをかけている日本の俊英が丁々発止に切り結ぶ25分の熱いドラマに乞うご期待。
後半はシェーンベルクがオーケストラ曲に編曲するなど、ブラームスの初期作品としては《ピアノ協奏曲第1番》と並んで有名、魅力的な内容を持つ傑作《ピアノ四重奏曲第1番》。ひときわ有名で血湧き立つ躍動感溢れる終楽章のみならず、1、2楽章に籠められた若きブラームス特有の熱き想いや世界観、第3楽章の深い抒情を、ウィスペルウェイに導かれ日本の精鋭3人がどこまで深く表現できるかいまから楽しみだ。ウィーンにベースを置き、ヨーロッパ各地で活躍するヴィオラの原麻理子、ピアノの佐藤麻理は、きっとその空気感を独自の視点からしっかり表現してくれるに違いない。
日本の俊英がウィスペルウェイという、強い主張と個性を持つパッショネイトな巨匠と交わり、どのような化学反応を起こすことができるか。新年早々、話題沸騰のコンサートをお見逃しなく。
西巻 正史(トッパンホール プログラミング・ディレクター)
【曲目】
・ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第5番 二長調 Op.102-2
ピーター・ウィスペルウェイ(Vc) 津田裕也(Pf)
・コダーイ:ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲 Op.7
山根一仁(Vn) ピーター・ウィスペルウェイ(Vc)
・ブラームス:ピアノ四重奏曲第1番 ト短調 Op.25
山根一仁(Vn) 原 ハーゼルシュタイナ ー麻理子(Vla) ピーター・ウィスペルウェイ(Vc) 佐藤麻理(Pf)
関連企画『公開リハーサルへのご招待』受付終了
演奏曲の一部で構成するリハーサルに、小さなお子様連れの皆さまをご招待します。
日時 2018年1月12日(金)13:30~14:15(予定)
対象 未就学児(2名まで)と保護者1名
定員 50組(応募者多数の場合は抽選)
申込方法 専用の申込用紙に必要事項を記入のうえ、郵送、FAXまたは直接ご来館の上、お申込みください。
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出演 |
ピーター・ウィスペルウェイ(チェロ)
山根一仁(ヴァイオリン)
原 ハーゼルシュタイナー 麻理子(ヴィオラ)
津田裕也(ピアノ)
佐藤麻理(ピアノ) |
スタッフ |
企画 西巻正史
企画協力 トッパンホール |
お問合せ |
富士見市民文化会館キラリふじみ 049-268-7788 |
主催 |
公益財団法人キラリ財団 |
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- 日程
2018年1月13日(土)
- 開演時間
14:00
- 会場
メインホール
- 公演に関する備考
開場は開演の30分前より
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