キラリふじみ立春狂言 万作の会 『苞山伏』『文荷』『六地蔵』
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至芸の狂言師たちが織りなす、伝統芸能の神髄。 苞山伏(つとやまぶし) 使いの者 高野和憲
六地蔵(ろくじぞう) すっぱ 野村 万作 <あらすじ> 苞山伏(つとやまぶし) 早朝から山に薪取りにきた山人が休んでいると、旅の山伏が通りかかり、近くで昼寝を始める。さらに通りかかった男は、山人の枕元に置かれた昼食の藁苞を見つけ食べてしまうが、山人の目を覚ます気配に慌てて寝た振りをする。まもなく目を覚ました山人は、昼食がなくなっていることに気づき、男を起こして問いただすと、男は素知らぬ顔で山伏に罪をなすりつける。あらぬ疑いをかけられた山伏は、真犯人を明らかにすべく祈祷をはじめるが…。 和泉流の専有曲で、狂言には珍しく、推理小説のような味付けの展開が楽しめます。三人三様の人物設定にもご注目ください。 文荷(ふみにない) 太郎冠者と次郎冠者は、主人から恋文を届けるよう命じられる。文を持ちたくない二人は、道々文を押し付け合うが、やむなく竹竿に結んで二人で担ぐことにする。なぜか文が重く感じられるので、能「恋重荷」の一節を思い出し、謡いながら運んでいく。手紙の中身が気になって仕方がない二人は、とうとう文を開いて読んでしまうのだが…。 能「恋重荷」のパロディになっている作品です。登場人物のやり取りの面白さに加え、謡曲を取り込んだ興趣あふれる内容になっています。 六地蔵(ろくじぞう) ある田舎者が地蔵堂に六体の地蔵を安置しようと都に仏師を探しにいく。すると徒者(いたずらもの)のすっぱ(詐欺師)が声をかけてきて、自分こそが真の仏師であると偽り、翌日までに六地蔵をつくる約束をして田舎者と別れる。すっぱは仲間を呼び出し、地蔵に化けて田舎者をだますことにする。さて翌日、田舎者が地蔵を受け取りにやって来ると、地蔵は三体しか見あたらない。もう三体はどこにと問うと…。 演者が所狭しと舞台を駆け回る賑やかな作品です。すっぱは田舎者をだまし通せるのでしょうか。本舞台と橋掛りを上手く使った、狂言ならではの表現もお楽しみください。
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