年間プログラム

2023年01月09日 - 橋爪功・夜の朗読 橋爪功インタビュー

1/27(金)に上演する、橋爪功・夜の朗読に向けて、HOTキラリ1月号の掲載したインタビューです。

 

 

「朗読は無限大」

2011年から毎年上演を続けている橋爪功さんによる朗読公演。

様々な作家が紡ぎだした数々の物語を読み、劇場だからこそ体験できる濃密な時間をつくりだしてきました。

当館が20周年にあたる今年、12回めの公演に向けて、橋爪さんにお話しを伺いました。

 

◆ 毎回、趣向の異なる作品を朗読してくださっていますよね。

朗読する本は妻が選んでくれているんですよ。とにかく読書量がすごくて、妻は僕の10倍くらい本を読むから。候補作を何本かあげてくれて、僕も読んでみると「今年はこれがいいよね」とだいたい意見が一緒になってね。

どうなるか想像がつかない本も「あなただったらできるから」とおだてられて。朗読してみると、自分だけでは気づかなかった本の面白いところがどんどん出てくるんだよね。

妻が感じた作品に対する想いを、なるべく壊さないように拾い上げるのが僕の仕事だろうし、僕も、その作品を通して新しいところに連れてってもらえるから、楽しいんだよね。

 

◆ 橋爪さんの朗読は、躍動感に溢れています。

座ってただ読むのが嫌いなんですよ。作品のなかで遊ぶのが大好きでさ。それをお客さんも楽しみにしてくださっているのかな、と思ってて。自分の思い込みだけで朗読をすると、僕もお客さんも椅子に座っているだけで終わってしまう。もったいないですよ。出来る限り、お客さんの想像力と直接やりとりできるような時間と空間が生まれればいいなといつも思う。なるべく僕は本の後ろ側にまわって、お客さんのイマジネーションが働くように心がけてて。朗読は1人だから、誰にも邪魔されないでお客さんとやりとりできるから楽しいよね。何が起こるかわからないから、緊張感はすごいけどね。

 

◆今年で12年めになりましたね。

キラリがこれだけ長く付き合ってくれて、こういう場所を提供してくださっているのが嬉しい。「キラリでやっているよね?うちでもやってくださいよ」と結構言われますよ。「やった‼」と思うし、ありがたいよね。これからも朗読は、妻と二人三脚で続けていきたいと思ってます。

キラリのお客さんは、ただかしこまって聴いているだけじゃなくて、それぞれの楽しみ方をして、客席からいろんな反応を返してくれるから、僕の方が教わることがたくさんあるんだよね。今度、僕に読んで欲しい本を、お客さんに聞いてみたいよね。

 

 

 

■プロフィール

橋爪功|はしづめいさお

1941年大阪府出身。文学座、劇団「雲」を経て演劇集団「円」の設立に参加。現在は代表を務める。

舞台のみならず、ドラマ、映画でも幅広く活躍を続け、多数の演劇賞を受賞している。

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